クラブの歴史

大阪ライフセービングクラブは、1980年代終わり頃に、湘南で実施されていたライフセービング活動に加わった数名の社会人が、大阪に帰ってきたことから始まりました。連絡を取り合って、和歌山市片男波海水浴場でボランティアとして監視活動を始めたのです。彼らは化粧品会社や鉄鋼関連会社の社員、高校の先生、主婦、などでした。お盆の数日間、お互いの都合の許す時間をつなぎ合わせて、ビーチに立ちました。やりたい者がやりたいのでやりました。自発的です。これは、私たち大阪ライフセービングクラブの基本です。

その後、練習や波乗りにしょっちゅう訪れていた和歌山市磯ノ浦海水浴場から、「監視活動をしてくれないか」との要請が来ました。阪神大震災の年・1995年のことです。1994年から、大阪ライフセービングクラブに大学生が参加してきました。輪が拡がり平日でも参加できる学生メンバーが確保できそうなので、磯ノ浦海水浴場と白浜町白良浜海水浴場(日本ライフセービング協会からの委託)で、本格的な海水浴場の監視活動を始めました。その後も、メンバーの1人が自発的に監視活動を行っていた沖縄県座間味村、京都府京丹後市、三重県志摩市などで、正式に監視活動をさせていただきました。磯ノ浦海水浴場と白良浜海水浴場で監視活動を始める前から、笠置でのカヌーフェスティバルや大阪市天神祭船渡御、トライアスロンのスイムパートなどの、水に関わるイベントの安全確保も行いました。

1998年からは片男波海水浴場で監視活動をさせて戴くようになり、現在まで脈々と監視活動の歴史が続いております。また2005年度からは内閣府指定NPO法人となり、より一層のライフセービング活動の発展に努めています。

このように、大阪ライフセービングクラブは、すべて、自発的にやりたいことを、役に立てるものを、差し出すことに喜びを感じて活動をしています。“Yes, we serve you all!”が合い言葉です。

目指すもの

私たち大阪ライフセービングクラブは、単に「ライフセービング活動を推進するため」に集まっているわけではありません。単に海水浴場の監視活動を請け負う団体でもありません。救命活動に真剣に取り組もうとも考えていません。崇高なヒューマニズムもありません。また、悲壮感漂う義務意識で浜に立っているのでもありません。150名ものクラブ員をつなぐもの、それは、「ライフセービングをやりたい」という思いだけです。いつ参加しても、いつやめても、また、いつ復帰しても自由です。一見非常に緩いきずなしか持っていないようなクラブですが、実は、クリアなビジョンを描いています。

  • 親水性であること
  • これは、ライフセーバーとしての個人レベルの資質の目標です。私たちは、「水辺の安全確保」に取り組んでいます。これはライフセービングの基本的な理念です。しかし、事故が起きないようにすること、事故が発生すれば直ちに救助すること、だけを目標にしていません。それは、ただの通過点にしか過ぎないと考えています。わたしたち大阪ライフセービングクラブは、もっと先をめざします。

    ライフセービングは、海水浴・スイム・トライアスロンなど、親水性のスポーツの安全確保に取り組んでいます。このためには、ライフセーバー自身が「親水性」であることが必要です。サーフィン、ボードセイリング、ダイビング、釣り・・・私たち自身がこれらのライフセービング以外の親水性スポーツに慣れ親しむことを推奨しています。また、潮の満ち引き、天候、海の生物など海の知識にも精通できるよう、勉強し先輩から後輩へ伝達しています。波乗りもできてスイムもまずまず、心肺蘇生法の理屈もちょっとはしゃべれて、クラゲの種類の話もできる、天気図を見て「今日は昼からは波が落ちでしまう」と予想もできる・・・・そんなライフセーバーが目標です。そしてなにより、「海に行きたい」とうずうずする、塩水なしでは身体が錆びてしまいそうな気がする「親水性」の持ち主になりたいと考えています。

  • 自発的であること
  • 私たちは自発的な活動をしている団体です。監視業務・パトロール自体は、系統的な命令で動くことが要求されます。救助活動は遊びではありません。迅速で的確な機能性が優先されます。しかし、ライフセービング活動に参加するには、自発的であることが基本です。大阪クラブは、この自発性・自主性を重んじます。参加するのも、やめるのも、中断することも、復帰するのも、全く自由です。学生がほかのクラブ活動をかけもちするのも自由です。また、ライフセービングに打ち込んで、とことんやり抜くことも自由です。やれる人が、やれるときに、やれるだけライフセービングに取り組んでいけるように考えています。学生が四年間ライフセービングにのめりこむのも歓迎します。また、主婦が、子育てや家事のすき間をねらって参加してくれるのも大歓迎です。家庭の事情や仕事の都合で何年間か来れなかった人が、久しぶりに海に来てくれるのも小躍りして迎えます。「子供プログラムをやりたい」という提案があればその人を中心に実行してもらいます。「競技のための練習会を始めたい」これも言い出した人をまとめ役にやってもらいます。

  • 楽しいこと
  • ボランティア活動をしていく上で、モチベーションが重要です。崇高な理想、高邁な精神、これらだけでその活動を維持し発展させていくことは不可能だと考えます。「海で人命救助にたずさわりたい」「人のためになる活動をしたい」これらは、とてもすばらしい動機で、なにもとやかく言うべきものではありません。しかし、ライフセービング活動を続けるためには、発展させて行くには、これらの尊敬するべき理由だけでは不足です。

    私たち大阪ライフセービングクラブは、ライフセービング活動を心から楽しんでいます。楽しくないと続きません。真剣ですが楽しんでいます。満喫しています。不謹慎で誤解を受けるかもしれませんが、「楽しいから、オモロイからライフセービングをやって」います。だから、長く続きます。「また来年もできるだけ海に行こう」と思います。「すきやねんなあ」と言われれば「はい。好きでやってます」と明るく答えられます。真摯な気持ちで仲間になってくれた人も、やがて、楽しんでもらえるように望んでいます。少々苦痛が伴っても、それを乗り越えてでもしなければならない、と覚悟していた人も、やがて、できないことが苦痛になる活動でありたいと願っています。

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    2016.05.05 磯ノ浦海水浴場にて新歓波乗りのイベント